私の職場のお局的な事務員がいるのだが、その事務員は2年ほど前からレディーガガと呼ばれるようになった。
レディーガガと呼ばれるようになった理由はとても些細なことだった。
まだ新型コロナウイルスの感染が広がっていない時で飲み会なども普通に行われていたのだが、飲み会に誘ってみるとその時に着ていた服があまりに奇抜だったのだ。
これまでファッションセンスのない人というのはいろいろ見てきたが、そのお局的な事務員はピンクの革ジャンに黄色と白のボーダーのロンT、そして蛇柄のタイトなスカートを履いてきたのだ。
その姿で登場したのを見た瞬間にそれまである程度盛り上がっていた会話が一瞬にして沈黙に代わり、そこから次の一言が出るまで10秒以上時間が経っていたのではないかと思うくらいに長い時間が経過していた。
あまりに気まずい雰囲気に最初の一言を発したのは私で、その時にレディーガガみたいと言ったのだ。
お局はそれが褒め言葉だと受け取ったようで上機嫌だったが、それ以来レディーガガと呼ばれるようになってしまった。
本当のレディーガガにもお局にも申し訳ない。